Women's Sexual Healthについて書くブログ

昼間は医療機器メーカーの会社員が女性のセクシャルヘルスとラブライフ、台湾・日本国際結婚と妊娠・出産について書きます

台湾の産後ケア ③日本の施設見学

2016年の夏、どの病院で産むかを決定する前に、産後ケア施設に見学に行った、私たち夫婦。

なぜなら、産後ケア施設に入るのか、入らないのか決まらないと、東京で産むのか、里帰り出産にするのか、決めることができなかったからなのです。

 

一つ目は千葉の船橋にある、こちらの施設。

mammycamp.jp

 

提供されているケアの内容としては、

1日5食つき(朝、昼、晩とおやつ、夜食)、

ハーブテント(いわゆるよもぎ蒸し)や足湯は毎日利用可能、ハーブティーも飲み放題、おっぱいケア、

基本母子同室ですが、大変なときは赤ちゃんを預かってもらえるベビールームがあり、

赤ちゃんを見てくれる、「産前産後管理士」さんが常にいてくれます。

 

また、旦那さんも(追加料金を払えば)同じ部屋に泊まることができます。

部屋着やタオル等、全て支給してもらえるほか、洗濯もお願い出来るという、至れり尽くせりぶりです。

 

百貨店のような商業施設の中の4階、という不思議な場所にあるこの施設。

経営は韓国系の医療法人のようです。だから、ハーブテントや、座浴ビデ(産後の会陰部ケア)などのケアが準備されているのだなぁと納得。

 

見学に行った際も、施設の入り口ではまずクリーンルームに入り、前方向から吹き付ける強風で(?)ホコリなどの汚れを落とします。そして手洗いを行い、マスクをして、やっと中に入ることができました。

 

まずはこの施設が紹介されたニュースの映像を見せてもらい、それから各施設をそれぞれ案内してくれたのですが、

お部屋もきれいでゆったり広く、まるでホテルのよう。

各部屋にシャワーとトイレがあり、会陰部ケアのための座浴ビデが取付けられていました。これは、韓国からの取り寄せとのこと。

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(画像:Mammy Camp Tokyoより)

 

値段も決して安くはなく、2週間の滞在で約50万!驚きの値段です。

 

 その他、宿泊料とは別料金になりますが、エステルームがあり、ボディトリートメントやヘッドスパ、ネイルなども受けることができるとのこと。

ここまで何でもそろっていれば、安心して過ごすことができるし、リフレッシュできるだろうなあ、と思いました。何より、きっと何か困っても一人で悩むのではなく、色んな人に聞いたり、話したり、助けてもらったり出来る環境である、ということが重要なのだと思います。

 

 

2つ目は、産褥入院のできる、中央区にある産科クリニックです。

聖路加産科クリニックでのお産 - お産 - 受診案内 - 聖路加国際病院

 

こちらは、自然分娩の考え方をできるだけ取り入れた、聖路加国際病院の隣にある系列の産科クリニック。

ほぼ助産士さんによる助産院ですが、聖路加から先生も1人来ているということで、助産院と病院の中間、のようなイメージです。

 

ショートステイ」というのがいわゆる産褥入院のことで、他の病院で産んだ場合も、このショートステイは利用出来ます。

助産師さんによる授乳ケア、母乳マッサージや育児支援、そして自然派の食事、それからオプションで母子のトリートメントなども受けられるとのことです。

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こちらも母子同室。(ただし洗濯は自宅でして持って来てもらう必要有り。これは普通の病院と一緒ですね。)

お部屋は洋室と和室があり、こじんまりしているものの、全体的にとっても清潔で、暖かい雰囲気に包まれていました。

費用は1泊29,000円なので、2週間にすると40万円強、といったところです。

ここでは、赤ちゃんを預かってもらうベビールームのようなところもサービスも無いので、基本的にずっと赤ちゃんとお母さんは一緒にいる、という考え方です。

 

 

そういう施設に見学をしに行った、と私の両親に伝えたときの最初の反応は・・・
何を考えているのか、そんなことに大金を使うなんて(あほらしい!)

贅沢すぎる、もっと他のことに使うべきだ・・・ だったら最初から実家に帰ってくれば良い!

 

という感じ。

まあ、でしょうねでしょうね、そうでしょうね・・・想像どおりです。

だって、私自身も最初見たとき目が飛び出てましたから。。。

 

日本では産後にお金を使う、という考え方は、ほぼ無いと思います。
里帰り出産をする場合は、実家の母親に手伝ってもらって1月くらい過ごすのが普通ですが、
最近は核家族化で、夫婦のみで産後を乗り切る人も多くなっています。
そして、35歳以上でのいわゆる高齢出産と言われる年代の出産も多くなっている今、
夫婦が高齢ならばその両親ももちろんその分年齢を重ねています。必ずしも元気に、大変な子育てを手伝ってもらえるのが当たり前、というわけではありません。

そんなとき、自分でなんとかしないといけない、という人も多くいるのではないでしょうか。
実際、私の友人や知人でも、自宅で一人で乗り切った、少しは旦那さんも手伝ってくれたが、基本的に家事は自分でやっていた、という人の話も多く聞きました。

 

日本では、物理的にもそうですが、それよりも心理的なハードルが高く、こういった産後のサービスを使いたい、と妻の側から言い出すことは、大変難しい気がします。

夫にそれを納得してもらうのは、ものすごい至難の技だし、なにを贅沢なことを言ってるんだ!と、だいたいは思われることでしょう。

 

費用的にも、産後の休息の必要性の説明にしても、もし私が試みてみようと思ったら、家族、特に男性である夫が充分納得できるように説得できる自信は、全くありません。。。

 

なので、産む場所がどこか、ということよりも、産後のことの方が大事、くらいな考え方のある台湾人の夫にただただ感謝、、、です。

まだどこにどれだけの期間滞在するか最終的に決めていませんが、また利用後にもレポートしたいなと思います。

 

私は2施設のみしか実際に見学はしていませんが、

こちらに全国の産後ケアを受けられる施設が一覧で載っています。

 

産後ケアセンターとは 一般社団法人 日本産後ケア協会

 

自治体によっては補助金が出るところも増えているとのこと。

私の住んでいる区はありませんが、

こういうサービスがどんどん増えていき、

安心して子どもを産み、育てられる環境がもっと整っていけば良いなと、思います。